ホームページについてご相談をいただくとき、最初の言葉はとてもシンプルなことがあります。
- 問い合わせが少ない。
- 更新できない。
- 表示が遅い。
- 検索で見つからない。
- 採用応募が来ない。
- 今の制作会社とうまく進まない。
困っていることが一つなら、原因も一つのように見えます。
ただ、実際に状況を確認していくと、一つの問題の背景に、複数の要因が重なっていることは少なくありません。
そのためギガデザインでは、目に見えている問題だけを切り取らず、何がどのようにつながっているのかを整理して考えます。
問い合わせが少ない理由も、一つではない
例えば、「ホームページから問い合わせが来ない」というご相談があります。
この場合、すぐに思いつくのはアクセス数です。
見られていないから、問い合わせが来ない。
確かに、その可能性はあります。
ただ、アクセスがあっても問い合わせにつながらないことがあります。
- サービス内容が分かりにくい。
- 料金や対応範囲が見えない。
- 実績が少なく、安心して依頼できない。
- 問い合わせ先が見つけにくい。
- フォームの入力項目が多い。
- スマートフォンで操作しづらい。
- 問い合わせ後の流れが分からない。
また、ホームページ以外に原因があることもあります。
- 問い合わせへの返信が遅い。
- 営業担当へ情報が共有されていない。
- 対応できる地域や条件が限られている。
- サービスそのものが、見ている人の要望と合っていない。
「問い合わせが少ない」という一つの結果にも、複数の理由が考えられます。
アクセスを増やすだけで解決するとは限りません。
表面に出ている問題は、結果かもしれない
問題として見えているものが、原因ではなく結果であることもあります。
更新が止まっているサイトを例に考えてみます。
「CMSが使いにくいから更新できない」と思っていても、実際には別の理由が重なっているかもしれません。
- 誰が更新するのか決まっていない。
- 更新してよい内容の基準がない。
- 原稿や写真を準備する人がいない。
- 社内確認に時間がかかる。
- 忙しくて優先順位が下がっている。
- 制作会社への依頼方法が分かりにくい。
このような状況でCMSだけを入れ替えても、更新は再び止まる可能性があります。
システムの使いにくさは、確かに問題の一つかもしれません。
ただ、その背景にある運用体制や判断の流れまで見なければ、本当の原因にはたどり着けません。
表面に出ている問題だけを直すと、一時的には改善しても、しばらくすると同じ状態へ戻ることがあります。
技術の問題と、運用の問題が重なる
Webの課題は、技術だけで解決できるように見えることがあります。
- 表示が遅い。
- エラーが出る。
- 更新画面が使いにくい。
- スマートフォンで崩れる。
こうした問題には、技術的な原因があります。
一方で、技術の問題と運用の問題が重なっていることもあります。
例えば、表示が遅い原因が大きな画像にある場合、画像を圧縮すれば改善できます。
ただし、更新のたびに大きな画像が登録される運用のままでは、同じ問題が繰り返されます。
更新画面を使いやすく作り直しても、入力方法が共有されていなければ、担当者ごとに表記やレイアウトが変わるかもしれません。
エラーを修正しても、古いシステムを使い続ける理由や更新方針が整理されていなければ、別の不具合が生まれる可能性があります。
修正するだけでなく、同じ問題を繰り返さないための運用も考える。
技術と運用の両方を見ることで、改善が続きやすくなります。
会社の課題が、ホームページへ表れることもある
ホームページの問題に見えても、実際には会社の中にある課題が表れている場合があります。
- サービス内容が分かりにくい。
- 強みが伝わらない。
- 掲載情報に一貫性がない。
- ページごとに表現が違う。
これらは、文章やデザインを直せば改善できるように見えます。
ただ、社内でもサービスの定義や優先順位が共有されていなければ、ホームページだけで整理することは難しくなります。
- 誰を主な対象とするのか。
- どの事業を中心に伝えるのか。
- 競合と何が違うのか。
- 何を約束できるのか。
社内で答えが分かれている場合、制作会社が見た目だけを整えても、根本的な解決にはなりません。
ホームページ制作をきっかけに、会社の考え方や情報が整理されることがあります。
それは制作が止まっているのではなく、伝える前に必要な確認をしている状態です。
Webの課題と会社の課題は、完全に分けられないことがあります。
制作会社との関係にも複数の原因がある
「今の制作会社に相談しづらい」というご相談をいただくこともあります。
話を伺うと、制作会社の対応だけが原因とは限りません。
- 担当者が変わり、過去の経緯が共有されていない。
- 契約に含まれる範囲が分からない。
- 依頼方法が決まっていない。
- 社内の担当者も、何を頼めばよいか整理できていない。
- 見積もりの基準や作業内容が見えにくい。
- 連絡手段が複数あり、情報が分散している。
もちろん、制作会社側の説明や対応に問題があることもあります。
同時に、関係者の役割や情報の流れが曖昧なことで、話が進みにくくなっている場合もあります。
このようなとき、制作会社を変えることが必要な場合もあります。
一方で、依頼や確認の流れを整理するだけで改善することもあります。
誰が悪いかを先に決めるのではなく、どこで情報や判断が止まっているのかを見る。
その方が、次の関係でも同じ問題を繰り返しにくくなります。
原因を一つに決めると、対策も狭くなる
問題の原因を一つに決めると、対応は分かりやすくなります。
- アクセスが少ないからSEO。
- 見た目が古いからリニューアル。
- 更新できないからCMSの入れ替え。
- 応募が少ないから採用ページの追加。
分かりやすい一方で、ほかの要因を見落とす可能性があります。
また、一つの原因に見えても、確かめる前は仮説にすぎません。
アクセスが少ないと思っていたら、実際には必要な人には見られているかもしれません。
採用ページがないことが問題だと思っていたら、応募条件や仕事内容の説明に原因があるかもしれません。
リニューアルが必要だと思っていたら、一部の情報更新だけで十分かもしれません。
最初から原因を決めつけず、複数の可能性を持つことが大切です。
仮説を並べ、確認できるものから確かめていく。
そうすることで、不要な対策を減らせます。
すべてを同時に解決する必要はない
問題が複数あると分かると、すべてに対応しなければならないように感じるかもしれません。
ただ、すべてを同時に進める必要はありません。
- 緊急性が高いもの。
- 影響が大きいもの。
- 少ない負担で改善できるもの。
- ほかの対応の前提になるもの。
こうした基準で優先順位を決めます。
例えば、採用サイトを作りたい場合でも、募集内容が決まっていなければ、先に採用条件や仕事内容を整理する必要があります。
集客を強化したい場合でも、問い合わせ後の対応体制が整っていなければ、先に受け入れ方を考えた方がよいことがあります。
大きな問題からではなく、次の問題を解きやすくするものから着手する場合もあります。
一つずつ対応し、その結果を見ながら次を考える。
その進め方なら、状況の変化にも合わせやすくなります。
関係性を見ると、解決の順番が変わる
複数の問題は、別々に存在しているとは限りません。
一つを改善すると、ほかの問題も軽くなることがあります。
反対に、ある問題を先に解決しなければ、次へ進めないこともあります。
例えば、サービス内容を整理すると、ホームページの構成だけでなく、営業資料や問い合わせ対応も分かりやすくなるかもしれません。
更新の役割分担を決めると、CMSの要件も明確になります。
問い合わせの内容を整理すると、必要なページやよくある質問が見えてきます。
問題同士の関係を見ることで、少ない対応で広い範囲を改善できることがあります。
単に問題を並べるのではなく、どの問題がどこへ影響しているのかを確認する。
それが、優先順位を考えるうえでも重要です。
問題を増やさないために、確認する
急いで対策を始めると、新しい問題を生むことがあります。
更新しやすくするために自由度を高くした結果、レイアウトが崩れやすくなる。
問い合わせを増やすためにフォームを簡単にした結果、必要な情報が不足して確認作業が増える。
ページを増やした結果、内容が重複し、どこを更新すればよいか分からなくなる。
SEOのために記事を増やした結果、古い情報を管理できなくなる。
一つの問題を解決するための対策が、別の負担を生むこともあります。
だから私たちは、良い面だけでなく、運用上の影響も確認します。
- 誰が使うのか。
- どのくらいの頻度で使うのか。
- 更新や管理の負担は増えないか。
- 将来変更するときに困らないか。
問題を解決しながら、新しい問題を増やさない。
その視点も必要です。
問題を整理することは、複雑にすることではない
複数の原因を考えるというと、話を複雑にしているように見えるかもしれません。
私たちの目的は、問題を難しくすることではありません。
複雑に絡んでいるものを、扱える大きさに分けることです。
- 事実として分かっていること。
- まだ確認できていないこと。
- 考えられる原因。
- 影響している範囲。
- 今すぐ対応すること。
- あとで考えること。
このように分けると、漠然とした不安が具体的な判断材料へ変わります。
問題が一つではないとしても、取り組むことは一つずつ決められます。
すべてを一度に理解する必要もありません。
分かるところから整理し、必要な順番で進めればよいと考えています。
一つの答えへ急がない
経験を重ねると、相談内容を聞いた時点で、いくつかの原因が思い浮かぶようになります。
それでも、最初に思いついた答えへ急がないようにしています。
似ている問題でも、会社ごとに背景が違います。
同じ対策でも、運用する人や目的によって結果が変わります。
過去の経験は、答えを決めるためではなく、確認すべき可能性を増やすために使う。
それが、私たちの考え方です。
問題は一つとは限りません。
だからこそ、目に見える部分だけで判断せず、背景や関係性まで見る。
複数の可能性を整理し、本当に影響しているものを確かめる。
そして、すべてを一度に直そうとせず、必要なことから順番に進める。
ギガデザインは、分かりやすい一つの答えを急いで出すよりも、その会社に合った判断へたどり着くことを大切にしています。